元教員のうつ病ライフ🎵

精神障害者の日常を綴っています

『うつ病九段』先崎学 著②

先崎氏は将棋のプロ棋士である。

症状がある程度落ち着いて、

将棋に向おうとしたとき、

まず簡単な詰将棋をしたとのことだったが、

ほとんどできなかったという。

文中で、彼は

「プロ棋士が、簡単な詰将棋も解けないなんて、大学の数学の教授が小学生の算数が解けないようなものだ」と自身の状況を例えていた。

 

プロ棋士や大学教授と並べるのはおこがましいが、

私にも似たようなことがおきた。

2+2が答えられない。3+3なら尚更。

全く算数的な頭の使い方ができなくなっていた。

指を使って考えようとしても無理だった。

医師に伝えてみると「そういう独特の感覚があるかもしれませんね」と言われた。

私は小学校の教員免許で職に就いていたのに、

算数もわからないようでは話にならないと思った。

それを嘆く気持ちにもならなかった。

やばい状況であることが実感できなかった。

それくらい頭が働かなかった。

 

先崎氏は、その後徐々に回復していく。

私もその後に復職を果たし、働いているうちに

いつしか足し算もできるようになっていた。