元教員のうつ病ライフ🎵

精神障害者の日常を綴っています

「忘れた!」という無敵の言葉

幸せホルモン・セロトニンの分泌を促す

手立ての1つとしてリズム運動がある。

リズム運動と聞くと、音楽に合わせてダンス…みたいなことを思われるかもしれないが、

咀嚼、歩行運動などで良い。

他にも深呼吸など、一定のリズムで身体を動かせば良いらしい。

 

なので、私は意識的に散歩をするようにしている。

 

先週散歩をしていたら、友だち同士であろう

小学生が偶然に出会う場面に遭遇した。

 

児童A:おう!B!お前、髪切ったんか?

児童B:忘れた!

(私:???)

児童A:「忘れた」ってお前、髪切ったこと忘れるヤツおるか!?

(私:うん、そうよね!「忘れた」って何!?)

児童B:忘れた!はは!(笑)

 

二人の行き先は逆方向なので会話はそれで終了した。

 

なんというか…、衝撃的であった。

「忘れた!」という無敵の言葉を2回も使って乗り切る児童B。別に児童Aを適当にあしらっているわけではなく、

児童Bは児童Aが反対方向へ遠ざかっていくのを見ていた。

私は「そんな答え、アリなんや」と考えさせられた。

 

私は、2回休職した。2度目の休職の原因は明らかで、

上司からの理不尽な仕打ちにより

強烈なストレスを受け、寛解していた症状が

劇的に悪化した。即、ドクターストップ。休職するしかなかった。

クビになっても良いから寝ていたいと思って寝ている日が続いた。

 

この件で私は、PTSDになった。このことに囚われていて何も楽しめない。ずっとイライラして苦しいのである。

この苦しみから逃れられたのは、

最近受けた胃カメラで鎮静剤を打ってもらったときくらいかもしれない。

普段は、頓服の精神安定剤を朝昼晩飲んでしのいでいる。思考力が冴えているとキツいので、

できるだけ薬でぼんやりしていたい。

 

私も児童Bのように無邪気に「忘れた!」と言ってみたい。

髪を切ったのはおそらく年末で、新年はすっきりした髪型で過ごしたのだろう。

もはや、児童Bにとっては年末なんてもはや大昔のこと。思い出すに値しないのかもしれない。

そうか、児童Bは過去は振り返らず、前を向いているのか。

 

ここまで書いて、「前向きに」という言葉を思い出した。

「アリーマイラブ」という海外ドラマで、

主人公の同僚が人を励ますときよく「前向きに」と言っていた。

この上ないシンプルな言葉である。

 

私は、これまで自分がピンチのとき、この「前向きに」を思い出して、

自分を奮い立たせてきた。

 

児童Bのあまりの潔さに、私は清々しい気持ちにもなった。

「忘れた!」と口ずさんでいたら、いつか本当に忘れられるかもしれない。

 

ありがとう、児童B。